コクヨの消しゴム ★☆☆☆☆???
世の中には頼みもしないのに余計なモノを創る人がいる。
余計かどうかは人によろうが、私は余計だと思う。
では何が余計なのかと言うと、カドケシという消しゴムだ!
コクヨという文具メーカーが販売している。
何でこんなモノを作ったのかとコクヨに問い合わせたところ…
311点の応募の中から、佳作に選ばれた作品を製品化したものでございます。
という返事が来た!
佳作である。311点の応募の中のそれも佳作だ。
これが佳作なら、残りの310点はどんなモノだろうと興味が湧く。
宝島社の『このミス大賞』に喩えれば、『隠し玉』に相当する作品なのだ。
しかもこのカドケシ! 佳作のくせにヒット商品だという。生意気だ!
今では文具店に実に様々な種類のカドケシが並んでいる。
カドケシ。お主、何もんや?
知らない人のために紹介するが、こんなヤツだ!
こういう状態で売られている。
透明ケースから出すとこんなんである。
見るからに角がある。だからカドケシというネーミングなのだ。
安易だが、まあ名前はどうでもいい。
私は絵を描く。描けば消すぞ。
だから消しゴムは必需品である。画材としても使える。
節約家の私は無駄な出費はしないと決めている。ところがである。
ある日、本屋に行ったところ、あったのだ。カドケシが!
私がいつも利用している本屋は、その一角に文房具を売っている。
売るのはいいが、カドケシなど置くな! 買ってまうがな!
このカドケシ。売り文句がスゴイぞ。
曰く、消しゴムが減っていくと次々に新しい角が使えるようになる!
それは魔法か? そんな消しゴムが存在するのか?
次々に新しい角が使えるとは、ただ事ではない! 魔法や!
すごい! すごすぎる! 見たい! 次々に使える角をこの目で!
だから買ったのさ。迷走はここからだ。
★
さあ、もういちどこのカドケシを見てもらおう。
何なんだ、これは?
私は言いたい! これどうやって使うねんと!!
端っこの角はわかるが中央部分の角はどうやって使うのだと。
ここで再びコクヨのお客様相談室の返事に耳を傾けよう。こうだ。
細かいところを消される場合は角が多いほうが便利ということで、
この製品が生まれました。
そらわかるよ。角を消すからカドケシなんだろ。
でもさあ… 普通の消しゴムと同じく、数回使えば角は丸くなるやん。
その後、消しゴムが減っていくと次々に新しい角が使えるって、どこ使うの?
つまり、新しい角が出現するということ?
だから待ったさ。1分…2分… 5分も待たずに私は叫んでいた。
どこから現れるんだ、新しい角!
おかしい。コクヨがウソをつくのか? これは詐欺なのか?
しかし現れないものは現れないのだから仕方ない。
私の消し方が悪いのか? もっと優しく消すのか?
優しく消したさ。祈りながら。しかし新しい角なんてどこにも現れないのだ!
どう考えてもわからない。ちょっと整理してみよう。
★★
さあ、これがカドケシである。使用前だ。
丸で囲んだところが角である。いっぱいある。
片面に6個の角がある。反対の面を入れれば角は合計12個である。
それ以外にも真ん中にいくつか角があるぞ!
普通の消しゴムは片面に4個、両面合わせて8個の角しかない。
普通の消しゴムより角が多いのだ。だから何だよと!
どうやっても中央部分の角は使いにくいぞ!
ここに秘密があるのか? コクヨの秘密が? 知りたい! その秘密を!
この6カ所の角は普通の消しゴム同様、数回使えばすり減ってしまう。
普通の消しゴムは角を8回使えば角は丸くなり、その状態で最後まで使い切る。
しかしカドケシは違うのだと。新しい角が使えると豪語するのだ!
じっくり見てほしい。
どこに、どこに現れるんだ、新しい角!
★★★
わからない! さらにコクヨの説明に耳を傾けよう。こうだ。
また、角が丸まるとそのブロックをカットしていただくことで
新たなブロックが出てきます
(通常の消しゴムでもカットすれば新い角は出るのですが・・)。
えっ? なんて?
角が丸まるとそのブロックをカットしていただくことで
新たなブロックが出てきます
ブロックをカットする?
つまり… この消しゴムは角が丸くなる度に薄くスライスするの?
ブロックをカットしていただくことで新たなブロックが出てきます
そら出るわな。角がすり減ったらブロックごとスライスすれば…
使うのは角だけってこと?
6つの角が丸くなる度に薄くスライスしながら使うってか! 使いにくいやん!
実際使い易いかと言われれば、感じ方は人それぞれでございますので、
そう言った遊び心でお使いいただければと存じます。
遊び心? 実用性ではなく、遊び心で作ったってか?
拙ないご説明で誠に申し訳ございません。おわかりいただけましたでしょうか。
また何かございましたらご連絡下さいませ。
脱力! だが、全ての謎が解けた! こういうことなのだ。
何のことはない。角がすり減ったらブロックを薄くカットしていくと、
新しい6つの角が使えるようになる。自然に角が現れるわけではないのだ。
つまり、カドケシは中央部分は使わないで角だけ使う。
中央部分まで使うのは自由だが丸くなって角はなくなってしまう。
だから、角だけ使って残りはスライスして捨てていくのだが、
その独特の形状から、捨てる部分が全体の半分で済むので経済的??なのだ。
中心部分を使わないで捨てるんだから経済的ってこともないか。
ともかく、
普通の消しゴムと併用して、細かいところだけこのカドケシを使う。
つまり、二刀流で使って下さいということ。
カドケシは、その全部がすり減って小さくなるまで使わない。
あくまで角だけ使えと!
(まあ、どう使おうと買った人の自由なんだけどね…)
この商品のコンセプトは、
新しい消しゴムを使い始めたときの角で消す快感が
何回も楽しめるというものらしい。はは~ん。コクヨ、お主なかなかやるの~♪
って、使い方わからなかったのは私だけなのか?
いやちがう! 絶対変な使い方してる人がいるはずだ!
こんなの一目見て、
スライスして使うなんてわかるヤツいねえ~よ!
パッケージにスライスするって書いてあったっけ?