岩井田治行の『くまのアクセス上手♪』

興味を持った本と映画のレビューとイラストを描く♪

素敵なジオン注射を受けてきたお話♪

   

 

ジオン注射って、どうよ?

 

 

さて、ジオン注射である。

と言っても、ほとんど意味不明だ!

ジオン注射とはなんぞや?

 

私はかれこれ15年も前にジオン注射を受けている。

それもご丁寧に2回もだ!

しかしこの注射だけは2度と受けたくないと思った。

私はこの数年間、ジオン注射から逃げ続けていたのだ。

いやだ! その注射だけは勘弁してくださいと。

 

しかし、ジオンは私を捉えて離さない。

そう、とうとう10月30日、午後1時に

私はジオン注射を、実に15年ぶりに受けることとなったのだ。

これはそのジオン注射との戦いの記録である。

 

 

 

そもそもの始まりは

 

さあ、思わせぶりな前説が終わり、

いよいよお話は核心部分へと近づいてきた。

 

ここで私は告白をせねばならないが、

実はこの告白は2回目なのである。

そう、私は『痔主』なのだ。キャッ!

前に一度、Myいぼ痔について書いたことがあるので、

ご記憶の方もいるかもしれない。

まぁ、いちいち覚えていなくても良いのだが…

 

 

笑うな諸君!

日本人の2人に一人はお尻に何らかのトラブルを抱えている。

『ぢ(痔)』というのはね、国民病なのである。

しかし、場所が場所だけに誰にも言わない。

いや、言えないのだ。

 

言ったところで軽く笑われるのがオチだ。

なぜなら『ぢ』というのは、命に別状がないからだ。

「あははは♪」ってなもんである。

 

しかしである。諸君、よっく聞け!

痔は辛い。ほんまに辛いんやでぇ~~~!

 

日本人に一番多いのが『いぼ痔』である。

全体の6割以上は『いぼ痔』なのだ。

だから私も『いぼ痔』なのだった。

一日中机に向かって絵を描いている。

一種の職業病でもあるのだろう。

 

Myいぼ痔については前に書いたがここでおさらいをしよう。

いぼ痔とは、お尻にイボができる病気ではない!

医学的には、

肛門の内側にできるのが『内痔核』

外側にできるものを『外痔核』言いまんねん♪

 

『痔核』というのは、静脈の束が膨らんだものだ。

なぜ膨らむかと言うと、血行不良が主な原因である。

肛門の両サイドには『静脈叢(そう)』という静脈の束がある。

これがクッションとなり、

排便時に便による肛門の圧迫を和らげているのだ。

 

便は細い肛門を押し広げて体外へ排出される。

もうね、肛門をう~~んと押し広げてしまうのね。

だから排便時には肛門が圧迫される。

排便が終わると元の大きさに戻るのだけれど、

この便による圧迫を『静脈叢(そう)』という血管の束が

クッションとなって守っているのである。

何という人体の神秘であろう。

 

だからトイレで長時間いきんでいると圧迫が続き、

肛門に負担をかける。

これを長年(10年ほど)繰り返していると静脈の血行が悪くなり、

この『静脈叢(そう)』が炎症を起こして腫れてくる。

これが『いぼ痔』である。

 

『いぼ痔』は初期の頃は肛門の内側にあるのでわからない。

2段階目になると、

腫れた『静脈叢(そう)』が、排便時にお尻の外へ出てくるが、

排便が終わると自然に元へ戻る。

この腫れてお尻の外へ出てきた『静脈叢(そう)』

イボのように見えるので『いぼ痔』と俗称で呼ぶのだ。

 

これを放置していると次の3段階目に突入し、

腫れた『静脈叢(そう)』は自然には元に戻らなくなる。

つまり、一々指で押し戻さねばならなくなり難儀である。

 

さらに放置すると指で押しても戻らなくなる。

よしんば戻っても

歩いているだけで出っ張ってくる(脱肛という)

軽くクシャミをしただけでもピョコッと出てきてしまうのだ。

こうなるといよいよ手術が適用となってしまうから大変だ。

 

さてここで面白い統計がある。

痔になった人はすぐに肛門科を受診するか否かという統計だ。

人間誰しも病院にはできれば行きたくない。

行くとしてもできるだけ先に伸ばしたい。

特に肛門科はである。

 

そこである肛門の専門医が統計を取った。

痔になった人が肛門科を受診するのにどれぐらい先延ばしするか。

このセンセによると、平均して7年だそうな。

つまり、痔を7年も放置する人がほとんどだというのだ。

 

ではその間どうしてるの? と言えば、

何とかノールなどという市販薬で時間稼ぎをしている。

市販の注入軟膏や座薬は炎症を抑える効果はあるが、

あくまで一時しのぎに過ぎない。

 

肛門科を受診するまでの間に合わせの薬なので、

時間ができたらすぐに肛門科を受診したほうがいい。

でもね、恥ずかしいのだ。特に女性は。

 

そしてごまかしごまかしやっているうちにいぼ痔は大きくなり、

処置が大変になっていく。虫歯と同じで自然には治らない。

だから「あれ、おかしいな?」と思ったらすぐ肛門科に行くべし。

 

だから私も行ったさ。

でもジオン注射は嫌だ! だから先生に泣きついた。

注射はなし、注入軟膏と生活改善だけで頑張りたい。

ご指導お願いいたします! と頼み込んだ。

それが2年前のことだ。

 

先生の言う通りに運動し、辛い物を避け、夜更かしを控えた。

しかし春、夏、秋はいいが、寒い冬になると腫れてくる。

今年は寒かったので、部屋にいるだけで腫れてきた。

指で押し戻してもなかなか戻らなかった。

 

外出時にも歩いていると腫れてくるので遠出ができない。

トイレに駆け込もうにもそう都合よくトイレはない。

携帯のトイレを買おうかとまで考えた。

 

 

覚悟を決めて…

2年耐えたがやはり注入軟膏だけでは駄目であった。

仕方ない、覚悟を決めよう。

近所の肛門科の先生は本業は内科医なので、

専門資格が必要なジオン注射はできないと言う。

紹介状を書いてもらった。

 

私は東京在住なので、

小田急線の代々木上原から徒歩2分のクリニックを紹介してもらった。

『ふくだ代々木上原クリニックである。

 

予約を取り、意を決して行ってきた。怖かった。

ところがクリニックに入るとなぜか安心した。

とてもオシャレな雰囲気のクリニックで感じがいい。

ふくだ先生は40代の若い先生で実に丁寧に説明してくれる。

 

私が15年前にジオン注射を受けた時はまだ黎明期で

ジオン注射治療は主流ではなかった。

ジオン注射は硬化療法、ALTA療法とも呼ばれ、

専門資格がないと行えない治療法で保険適用外だった。

費用は5万円かかったのを覚えている。

 

ところがふくだ先生が言うには、

「今は保険が効きますし、麻酔しますから痛くないですよ」

とのことであった。

 

えっ! 保険が効くの?

麻酔してくれるの? 痛くないの?

 

「寝てる間に終わるので痛くないですよ♪」

 

何だよ~ 医療の進歩かよ~

知らぬ間にそんなに楽になってたのかよ~

もっと早く来ればよかったなぁ~

 

15年前の私は麻酔なしで2回も受けた。ちょっと痛かった。

その記憶がトラウマになっていた。

ジオン注射だけは嫌だと!

 

いつの間に保険適用になったのだ?

麻酔もしてくれると知ってれば、もっと早く受診していた。

何だかものすごく損をしたような安心したような。

そして2週間後の10月30日にジオン注射を受けました。

 

参考までに手順を書いておきます。

注射の前日はアルコールは禁止。

おかゆなどの消化のいいものを中心に食べること。

水分を多めに摂ること。早めに寝ること。

大体こんな具合で、特に食事制限はなし。

薬もいつも通り服用して構わない。

胃カメラ大腸内視鏡検査より楽である。

 

治療は午後1時からなので、早起きをして8時までに朝食。

昼食は抜きだ。

11時ごろにクリニックでもらった座薬を2個、肛門に挿入する。

これは便を出やすくするお薬だ。

10分ほどで催してくるので即トイレに駆け込む。

直腸を空っぽにしたら準備完了である。

さぁ、どこからでも来い!

 

 

12時30分にクリニック着。

10分ほど待ち、更衣室へ行き検査着に着替えます。

大腸の内視鏡検査と同じで、

お尻に切れ目の入った紙製のズボンを履き、上はシャツになります。

看護師さんが来て左腕に点滴の針を装着して準備完了。

施術室に入りうつ伏せに寝るよう指示されます。

 

「ハイ、眠くなるお薬を入れますよ~」

と言う看護師さんの声を聞いているうちに意識が遠のき、

気がつくと安静室で目が覚めた。

 

お尻にはガーセが貼ってある。

「ああ、終わったんだ…」

 

日帰りの治療である。

料金は、ななな何と、たったの5千円!

15年前の10分の1じゃん!

 

まぁ私の場合、高齢者なので2割負担ですが、

3割負担でも8千円ぐらいじゃないのかなぁ。お安いです♪

 

もうルンルン気分で帰宅しました。

1週間はお酒が飲めませんが、私は飲んべえではないので苦にならない。

そして現在はと言うと。

もうね、快適な毎日でありんす♪

 

排便時に痔核が出てこない。

便がスルスルっと出て気持ちいい♪♪

ああ、もっと早く行けばよかったと思いました。

 

ジオン注射を打った翌日は肛門内部が腫れるので、

便が細くなり出にくくなりました。

その日は1日下腹が重苦しい感じがありましたが

翌日から自然に元に戻りますから心配ありません。

 

痔になったことのない人には何のこっちゃという記事ですが、

前述したように、痔というのは国民病なんです。

今は何ともなくとも将来はわからない。

特にデスクワーク中心の人は気をつけた方が良いかも♪

 

そもそも痔核が小さい時は脱肛しないのでわかりません。

出血もないし、痛みもないのがいぼ痔なんです。

痔が完成するまでには10年ぐらいかかりますからね、

生活に不便を感じるようにならないとわからないのです。

 

今現在、いぼ痔で悩んでいる方はもちろんですが、

そうでない方も将来のことを考えると

このブログ記事は貴重な体験談だと思いますよ。

 

注入軟膏がダメなら手術しかなかった痔の治療ですが、

今は外科手術は主流ではないそうです。

できるだけ手術しないで治すということなので、

あまり心配はいらないと思います。

 

 

さてジオン注射ですが、

これは痔核を薬で固めて小さくするという治療法で、

一つの痔に対して4ヶ所注射をします。
注射してマッサージして、注射してマッサージします。

15年前の麻酔なしの治療時は、肛門内に注射する時が少し痛かったし、
マッサージがね、何とも妙な気分で嫌でした。

それが寝ているうちに終わるんですから楽ですよ。

痔の元を切除する手術ではないので再発の可能性があるため、

合わせて生活習慣の改善が不可欠です。

 

それでも痔核がお尻の外へ出ないって、快適でっすぅ~♪

トイレに行くのが楽しくなります♪

 

 

痔の原因とその予防

今現在、痔で悩んでいる人もそうでない人も

これだけは知っておいた方が良いと思う。

つまり、なぜ痔になるのかということだ。

 

一般的には同じ姿勢で長時間いるとヤバイと言われる。

座りっぱなし、立ちっぱなしはヤバイ。

辛いものの食べ過ぎはヤバイ。

体を冷やすのもヤバイ。

風呂をシャワーだけで済ませるのもヤバイ。

下痢や便秘は痔の大敵だ!

 

これらは全て正しいのだが欠けていることがある。

それが『残便』である。

その日の便が直腸に残ってしまうのだ。

そしてこれも立派な『便秘』なのである。

 

毎日お通じがあるから便秘はないと思っていないだろうか?

毎日お通じがあっても残便があれば立派な便秘だそうな。

 

便が直腸部分に翌日まで残ってしまうとどうなるか?

本来、空っぽのはずのところに便が残っていると

その便が一晩中肛門を圧迫し続ける。

つまり血行不良の原因となるのだ。

直腸は水分を吸収するので、便の水分は吸いとられる。

 

翌朝、

出だしの便が硬いのは、この水分を吸い取られた前日の便である。

硬い便が出ると後から柔らかい便がスルスルっと出る。

この柔らかい便が新しい便なのだ。

 

朝、トイレで排便時に出だしの便が硬く、

強くいきまないと排便できない人は、前日の便が残っている。

つまり便秘なのである。

 

残便は隠れ便秘であり、放置すると残便感すら感じなくなる。

毎晩、直腸に便が残っていると肛門が圧迫され続ける。

そして10年も経つと、立派ないぼ痔の完成となる。

 

この状態で同じ姿勢を繰り返すと痔は進行するらしい。

立ったまま座ったままでも痔にならない人は残便がない。

その日に出し切っているはずです。

 

またトイレで強くいきまない。

便座に座る時間は5分以内。それ以上トイレにいない。

トイレでスマホを見たりしない。読書もしない。

そういう排便習慣のある人は痔にはなりにくいそうな。

 

これって、結構目からウロコの情報ですよね。

わては知らなんだ。

トイレは読書する場所だと思てましたわ♪♪

 

だから皆さんも気をつけてくださいね。

それでも体質的に痔になりやすい人もいるかもしれません。

そんな時は手術の前に、ジオン注射を検討してください。

市販の注入軟膏や座薬より効果があります。

保険が効きます! 麻酔付きです! 痛くないです!

寝ている間に終わります! 日帰りです!

そしてリーズナブルです!

 

肛門科を受診する時は、内科や消化器科の先生ではなく、

肛門外科の専門医に診てもらうこと。

あとは先生にお任せすることです。

 

痔は放置しない方が良いです。

この記事を参考にして、快適な生活を手に入れてください。

以上、ご報告まで!

 

 

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