用心棒
1961年 日本/黒澤明監督作品
満足度★★★★★
ある宿場で、二組のやくざが争っている。
文字通り、宿場の右と左に真っ二つに分かれて争うという
何ともわかりやすい設定だが、そんな宿場町あるんか?
そこへ素浪人がやって来て… さてどうなる?
というお話。
荒唐無稽だが、とにかく脚本が良く練られている。
時代活劇というより、コメディ群像劇という趣がある。
素浪人が二組のやくざに用心棒代を競り合わせ、
両者から金を巻き上げようと策略を練る♪
最後に生き残るのは誰なのか?
スリリングに展開するお話の面白さはもちろんだが、
この作品はセリフがやたらと面白いのだ!
たとえばこんな感じ…
(以下、『用心棒』より抜粋)
★
まあ、一つ宿場に親分一人ってんなら我慢もできるが、
一つ宿場に親分二人とくると、もういけねえや。
(親分二人はキツイよね)
★
『丑寅(うしとら)とは妙な名だな?』
『丑年のおおみそかに産気づいたお袋の腹から、
寅年になって飛び出しやがった!』
(可笑しいよ、このセリフ!)
★
『夕べ、俺のいねえ間に 棺桶はいくつ売れた?』
『おたくに 二つ…』
『なにィ!』
『 …… あちらには 四つ!』
(指を使うな、指を!)
★
『自慢じゃねえが、悪い事でやってねえ事は一つもねえんだ!』
『じゃあ、たたっ斬られても文句ねえな?
斬られりゃ痛えぞ~!』
(日本映画史に残る三船さんの名セリフ!)
★
『桶屋、棺桶二つ! …いや、たぶん三つだ!』
(確実に三つでしょ!)
★
『よし! 前金25両。飲み食いそっち持ちだ!』
(図々しいよ)
★
『人殺し、盗人と言われるようにならなきゃ、ツラは立たねえ!
少しは人を殺してみせなきゃ、子分にもにらみが効かねえ!
(人として完全に間違ってるが、不思議と説得力がある)
★
『一人斬ろうが100人斬ろうが、しばり首になるのは一遍だけだよ!』
(そりゃそうだけど…)
★
『俺の名前は… 桑畑三十郎、
もうそろそろ…四十郎だがな♪』
(アラフォーってか?)
★
『八州まわりの手下が茶を飲んでやがる』
勤務中にお茶け(お酒)を飲むなんて、お役人はズルイ!
★
『強いんだってな?』
『それほどでもねえけどよ…』
(○○はおだてるに限る!)
★
『用心棒にもいろいろある。
雇った方で用心しなきゃならねえ用心棒だってあらァ』
『博打打ちの仲直りぐらい、ぶっそうなもんはねえんだぞ!』
(こ…怖いな~)
★
『ダメだ… ケンカもこう派手になると、
棺桶なんか使っちゃくれねえよ!』
(まとめてそこらに埋めちゃえ!)
★
『ここはどこだ?』
『ここは地獄の一丁目さ。おい、どこ行くんだ?
そっちは地獄の二丁目だぜ!』
(三丁目まで、体がもたない!)
★
『丑寅(うしとら)何やってるんだ?』
『今、清兵衛のとこを煙攻めにしてるんだ』
『面白そうだな、棺桶おろせ、少し見物する。
ここじゃよく見えねえ、もっと向こうへやれ!』
(早く逃げろよ!見物してないで)
★
『おめえ、生きてるようには見えねえぜ…』
『二~三日寝てりゃ、生き返るさ!』
『よせやい、笑うと なおスゲエや!』
(ここは笑うよ)
★
『おい!おまえそんなんでやる気か?』
(三船さんが言うとなぜか可笑しい!)
★
『地獄の入り口で待ってるぜ!』
『こいつ、どこまでも向こう見ずの本性を崩さずに、
死んでいきやがった』
(いいセリフだ)
★
『半助! おめえは首でもくくりな!』
(そう、くくりな!)
★
『さて、これでこの宿場も静かになるぜ。
おやじ、あばよ!』
(カッコイイ~!!)
『用心棒』というタイトルは知っているが、
実はまだ観た事がないという人。
このセリフを目安にぜひ一度ご覧ください!
★ネット上の『用心棒』の画像を流用・加工させて戴きました 感謝!★
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