岩井田治行の『くまのアクセス上手♪』

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言ってはいけない本を読む2♪

 

言ってはいけない 残酷すぎる真実

橘 玲 新潮新書 ★★★★

- 前回の続き -

 

遺伝するものは頭の善し悪しだけなのか? 否。

そらまぁね、体型とか性格とかいろいろ伝わっていくんじゃないのと。

私たちは親子がよく似ていることを知っている。

これははまぁ遺伝なんだろうなと思っている。

この本には、他にもいろいろ遺伝するぞと

そういうことが実に懇切丁寧に書いてある。脅し文句のように!

では、知能以外にどんなものが遺伝するのか?

 

 

知能以外に遺伝するもの その1

アルコール依存症

 

ハイ来ました、いきなりです。そんなん遺伝すんのと思うのだが、するぞと!

ひとのこころのネガティブな側面にも遺伝が強く影響している そうです。

だから、自分が不幸にもそういう遺伝的脆弱性を持って生まれてしまったら、

できるだけ飲み会に参加しない方がいいと書いてある。親切だ。

 

 

知能以外に遺伝するもの その2

精神病

 

統合失調症双極性障害の遺伝率は、82%と83%だそうだ。かなり高い。

こういうリスクを持って生まれてしまったらどうしよう。

もちろん、親のせいではない。遺伝は自分でコントロールできないのだから。

リスクを持った者は、正しい知識に基づいて様々な決断をすべきで、

社会もその事実を 拒絶するのではなく、それを精神病の予防や治療につなげ、

社会の偏見をなくしていくよう努力することが求められている と、

実に前向きな提案をしている。

 

だから、不都合な真実は言う必要があるのだと。

人間は本人の意志とは関係なく、様々な遺伝子を持って生まれてくる。

負の遺伝子を持って生まれても、人間には知恵と工夫という手段がある。

深刻な問題だが絶望するのは早いのだ。

 

 

知能以外に遺伝するもの その3

犯罪

 

ちょっと待て! せっかく前向きな話をしたところで突き落とすのか。

どんだけ人間は希望がないんだ。犯罪てなぁ… そんなん遺伝すなよ、頼むから。

しかし、遺伝するぞと書いてある! ホンマかいな?

 

犯罪の遺伝率の70%は環境にあるというのが一般論だ。

言ってはいけない』ことは一般論ではないのだから、

この本にはサイコパスに分類される子どもの遺伝率が明記されている。

知りたくもないが、81%だそうだ。環境の影響は2割弱だと。

せめて3割ぐらいにならないのか? ならないぞと!

 

では、犯罪が遺伝するとはどういうことだろう?

カエルの子はカエル。親が怪盗紳士なら、子はルパンになる。

ちがう! そういうことじゃない!

 

ここでまず指摘されているのは心拍数だ。

心拍数とは、晋三が拍動する回数のことだ。安倍晋三の拍動数はヤバイ!

(そんなボケはええから!)

 

心臓が拍動する回数が少ないウサギは攻撃的で支配的になる。

群れの中で地位が上がるにつれ心拍数が下がるのだ。

これは動物界で広範に見られる現象らしい。

 

神経犯罪学者のエイドリアン・レインは、人間ではどうなのよと興味を抱いた。

抱いただけでは収まらず、5868人の子どもの心拍数を調べた。ご苦労さん。

で、どうなったか? あらびっくり!

反社会的傾向を持つ子どもの心拍数は低かった。どういうこと?

 

親が怪盗紳士なら、子はルパンになる。

だからちがう! そうじゃない!

 

心拍数の低い子どもは高い子に比べ『恐怖心』と『共感力』が低く、

覚醒度の低さが生理的に不快で『刺激』を求める傾向がある。

恐れを知らない、同情できない、他人を殴る、麻薬に手を染める、

などの方法で刺激を求めて反社会的な行動に走るのだそうだ。

だだし、心拍数が低くても知能と才覚があれば、犯罪に走らず成功できると。

 

発汗量というのも犯罪率と関係があり、発汗しない子は『良心』を学べない。

親がどんなに厳しく躾けても良心を学習できないというのだ。

心拍数が低く、発汗量が少ない時点でアウトなんだと。

 

ここまで読んでくると、多くの読者は唖然とするだろう。

だって、心拍数とか発汗量なんてコントロールできないのだから。

心拍数が低いと燃費がええんとちゃうんか?

汗かかないて、夏は過ごしやすいんちゃうんか?

ちがうのである!

 

犯罪者になるかもしれんのだ!

 

こういうことをいったいどうやって調べるのかというと、経年研究をするのだ。

特定の地域を選び、そこに住む子どもたちを『刺激を求める子ども』と

『刺激を避ける子ども』の2つのタイプに分類し、何年か観察する。

その結果、反社会的行動に走る子とそうでない子に別れるらしい。

 

『刺激を求める子ども』の中から、数年後に反社会的行動に走る子が現れる。

刺激を求める子どもすべてが反社会的行動に走るわけではないが、

『刺激を避ける子ども』に比べて問題行動を起こす割合は高く、

そして、心拍数がみな低いのが特徴らしいぞ。ホンマか?

 

この本にはさらに恐ろしいことが書かれている。

それはサイコパスに分類されるタイプの人間についてだ。

サイコパスは『愚かなサイコパス』と『賢いサイコパス』に分かれる。

前者は刑務所などに収監されている者、後者は野放し状態の者である。

この世には、捕まらない賢いサイコパスが多数いるというだけで恐ろしいが、

前述の神経犯罪学者のレインさんは、

ある方法で社会に潜む賢いサイコパスを捜し出し、そのサンプルを手に入れた!

その結果がこれまた何とも恐ろしいものであった!!

 

どう恐ろしいのか簡単に言えば、普通人と変わらないということ。

むしろ、普通人より優れた能力を持っている。

賢くサイコな人は、だからあちこちにいるのだろう。

 

見た目ではわからないが、心拍数の低さからやがて刺激を求めて行動し、

周囲に知られるようになると他へ引っ越すということを繰り返す。

しかし、新しい土地でも最初は正体を知られずに普通に生活し始める。

こういう人を見抜くのは非常にむずかしいだろう。

 

では、危険人物を見分ける方法はないのか?

あるぞと。

テストステロンという男性ホルモンだ!

 

胎児は子宮の中でさまざまなホルモンに曝されていて、

その影響は脳だけでなく身体的な特徴としても現れるのだ そうだ。

 

テストステロンは男性ホルモンなので、この特徴は女性にはないらしいが、

子宮の中でテストステロンをたくさん浴びた男は一目で分かる。

どんな特徴か?

 

顔幅が広く薬指が長い!

 

どういう男になるかと言えば、攻撃的・暴力的になる。

これも全ての男性がそうなるわけではないが確率は高いぞと!

 

ハイ、注目! 顔幅の広い男性の特徴!

ライバルを蹴落とすためにほっそりした顔の男性の3倍ウソをつく。

サイコロの目の数をごまかす比率が9倍高い。

賞金を公平に山分けすることを嫌う。

 

これも権威ある心理学の専門誌に掲載された研究データらしい。

実にいろんな研究をする人がいるものだと感心する。

 

このブログを読んでいる人の中に、

顔幅の広い男の友人、知人、恋人がいたら、よ~く観察してみてほしい。

攻撃的・暴力的なところはないか。独善的で一方的な物言いをしないか。

そういう男が必ずしもサイコパスではないにせよ、経年観察が必要かも?

 

このタイプはリーダータイプに多い。

われわれが顔幅の広い男性に力強さを感じることは確かだ。

これが力強さを通り越して、攻撃的・暴力的と感じることがある。

一種の威圧感、恐怖感である。

冒険心や競争心と同時に攻撃性や暴力性を感じるからだ。

 

では、顔幅の広い男とはどんな顔なのか?

この本にはアメリカのゼネラル・エレクトリック社の前CEOで、

伝説の経営者ジャック・ウェルチの名が挙げられている。

こんな人である。

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同じ人物だが、向かって左は経営者、右は暴君に見えなくもない。

テストステロンの値が大きくなるとこんな感じになるそうです。

そう言えば、トランプ大統領もこんな感じですね。

 

私の経験から言えば、確かに顔幅の広い男性にはリーダータイプが多いが、

お山の大将になりがちな人も多いように思う。

私の経験に科学的根拠はなく当てにはならないが、みなさんはどうだろう?

 

 

教訓

攻撃的で独善的な物言いをするだけでなく、

顔幅が広く、薬指が長く、汗をかかない男とは距離を置くこと。

さらに何らかの機会に、心拍数が低いとわかったら…

 

すぐ逃げる! できるだけ遠くへ逃げろ!

(ええんか、こんなこと書いて! 偏見やん!)

 

 

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