LUCY/ルーシー
2014年 フランス/リュック・ベッソン監督作品
★★ 面白そうで今ひとつ乗れない♪
人間ひとりひとりの中に神がいる。
何十年も前に読んだ本にそう書いてあった。
われわれはひとつなんだと。
すべては神の一部なんだと。
そうなんかなぁ~と思っていたことが、この映画で証明された。
われわれが神の一部であることを自覚出来ないのは、
脳の10%しか使っていないからだ。
これが100%覚醒すると神の存在を感じられる。
つまり、自分が神の一部であると確信するのである。
ヒロインのルーシーがこれを体現する。
♣︎
平凡な女性ルーシーがマフィアの闇取引に巻き込まれ、
下腹部にCPH4という新種の麻薬を埋め込まれ、運び屋にされる。
この麻薬は通常10%しか使われない人間の脳を!00%覚醒させる。
ルーシーはこの麻薬を狙う別のマフィアに捕まり、
激しい拷問を受けるが…
その衝撃で体内に隠した麻薬の袋が破れ、全身に吸収される。
ルーシーの脳は、そこから覚醒を始め超人的パワーを発揮するのだ。
荒唐無稽だけど、とても面白いアイデアである。
何より映画的でワクワクする♪
ところが…
100%覚醒したルーシーはただの超人では収まらなくなり、
ついには神そのものになる。
神とは宇宙エネルギーの別称である。
覚醒したルーシーは、このエネルギー体になってしまうという
とんでもないシュールな展開が待っている。
ヒロインが宇宙エネルギーになってしまうとどうなるか?
形がなくなってしまうのだ。
エネルギーだけにね!
ここにベッソンの誤算があった!
おそらく、シリーズ化を狙った企画だったのだろうが、
不可視のエネルギーを主役にシリーズは創れない。
アホなベッソンは、そこに気づかなかった!
【ベッソン談】
『ニキータ』と『96時間』を足した活劇映画で一儲け企んだんや。
ヒロインアクション3部作にするつもりやってん。
しかし、主役が消えてしまった!
宇宙エネルギーになってしまった。
ベッソンは焦った! これではシリーズにならない!
シナリオを書き直そうとしたところで、神の怒りに触れた。
そのまま公開せよ~! すべては神の御心のままに~!
ベッソンは、神の声に逆らえなかった。
神はすべてを見通していたのだ。
最強のアクションヒロインを創造したはずが、
気がつくと、ヒロインは画面から消えていた。
神(宇宙エナジー)になってしまったのだ。
【ベッソン談】
シ… シリーズになるはずのアイデアが… 消えてもうた!
ある日、ベッソンは100%覚醒した脳で、この脚本を書いたのだろう。
われわれの脳が全開すると、こういうことが起るのだ!
だからわれわれの脳は、初期設定で10%だけ使用可になっている。
100%覚醒した脳で創作を行えば、すべてが神と一体になり、
見えないエナジーになってしまうからだ。
見えないエナジーを創造しても、誰にも観てもらえない。
【ベッソン談】
し…失敗や。続編どないしょ?
宇宙エナジーて… シリーズにならへんやろかぁ…
そうや! 見えないヒロインが活躍する映画撮ろか♪
アカン! 透明人間のパクリになってまうがな…
失敗や… 覚醒40%ぐらいで止めとけばよかった…
100%失敗作や…
モーガン・フリーマンに謝らなアカン…
つまり、そんな映画でした。
B級作品だが、
スカーレット・ヨハンソンは魅力的でカッコイイ!
♣︎♣︎
リュック・ベッソンという人は、かなり才能のある人だと思う。
ただ器用貧乏というか、決定打に欠ける。
初期の作品『サブウェイ』『グラン・ブルー』『ニキータ』『レオン』
などが今見てもユニークで面白い。
早熟の才能の持ち主で、40歳までに全てを出し切ってしまった。
早く咲きすぎた桜の花のようなお方。
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