もう一枚
『レオン』のマチルダを描こう!
明けましておめでとうございます。
本年もこの僻地ブログにお越しの方々にとって、
幸多き年でありますように。
どうぞよろしくお願いいたします。
というわけで、
新年一発目はメイキングです♪
これ結構大変なんですよね。
一々手を止めて原画をスキャンしなければなりませんから。
動画を撮ってYouTubeに投稿すれば簡単なんでしょうが、
どうも動画は撮る気になれません。
なぜかと言いますと、私こう見えてシャイでしてね、
どうも照れ臭いんですよ。
YouTubeを見てると承認欲求の強者が勢揃いしています。
絵画やイラストのメイキング画像もたくさん投稿されてますが、
そのほとんどが素人さんであることに驚きます。
みなさん目立ちたがり屋さんだなぁ~ よく恥ずかしくないなぁ~
って感心して観てます♪
自分が絵を描いているところを人に見られるのはどうも恥ずかしい。
みなさん平気なんですね。
むしろ見てくれと言わんばかりの勢いです。
すごいなぁ~ 人生はやったモン勝ちだなぁ~ とね♪
みなさんいかに承認欲求が強いかがよくわかります。
ところがすべての人が承認欲求の塊ではありません。
こうしたブログですら、やらない人はたくさんいます。
ブログやYouTubeは世界中でたくさん配信されていますが、
自己主張や自己愛の強い方向けの道具であって、
非常に偏っているとも言えるんです。
むしろああいう場所で自分の考えを配信しない人の中に
ユニークな考えをお持ちの方がたくさんいらっしゃると思います。
私、そういう人と出会いたいんですがね。
ブログやYouTubeというのは量はたくさんありますが、
質的にはかなり似通ったものの集合体です。
その意味で、あまり長時間見続けるのは人生の無駄遣いかなと。
まぁいいや♪
その中に面白いおじさん画家がいましてね、
この方はプロの水彩画家だそうです。
私と同じ70代の画家さんですが、
なんかすごいのね、このおじさんの自己愛が♪
老いてますます盛んって感じで♪
先日もこの画家さんのメイキング動画を拝見しましたが、
いきなりは描かないんですよ。
まず自分のアップから始まるという演出。
「やあ、みんな元気かなぁ~♪」
って必ず笑顔で言うのね、気色悪~!
いや、
あんたの顔はどうでもいいから、早くメイキングをと思うんですが
なかなか始まらないんですよ。
でね、色々絵について語るんですが、
このおじさん猫を飼ってるらしくて抱いてるんです、猫を。
あんたの猫はどうでもいいから、早くメイキングを!
そう思うんですが、なかなか始まりません。
猫をなでなでしながら絵画論をね、語るわけです。
で、一通り語り終わるとメイキング動画が始まりますが、
動画が終わるとですね、また出てくるのね、このおっさんが。
あのね、動画観たからもういいから終わろうよと思うんですが、
なかなか終わらないわけです。
エンディングにまた語るんですよ、絵画論をね。
いやもういいから、動画観てわかったからって思うんですが、
延々とね、語るわけ、笑顔で♪
しかも、また猫を抱いています。
でもこの猫がオープニングの猫じゃないんですよ。
別の猫なのね。
つまり猫を2匹飼っているようなんです。
あんたは水彩画のメイキング動画を配信したいのか
自分の猫を配信したいのかどっちやねんってね、
軽くイラつきました。
この人ね、70になってYouTubeというオモチャを手に入れて
もう毎日動画配信して楽しくて仕方ないみたいなんですね。
これまでなら70歳の老人なんて相手にされないですよ。
それが今やね、時代が違うんですね。
老いても人気者になれるんです。
芸能プロダクションなんかに入らなくてもスターになれる、
そういう時代なんです。
だからやったモン勝ちなの。
私やらないけど♪
かように目立ちたい輩の集まりなんですよ、YouTubeというのは。
私はとてもじゃないけど仲間には入れないなぁと。
猫2匹飼ってないし、特に目立とうとも思わないし、
私のブログ、ほとんどアクセスないし♪
とまぁそういうわけでね、
動画配信はしていないわけです。
当分はブログで細々とメイキングを公開するぐらいが
私には合ってるかなぁと思います。
さて、マチルダメイキングです。
◆
ネット上のマチルダの写真を元に鉛筆で下絵を描きます。
今回は顔のアップです。
おでこから上が断ち切れてますが、そういう構図で描きます。
まずいつものように下絵の上からカーマイン(赤)を塗ります。
これが下地の色になります。
目から鼻口へと塗っていきます。
ちょっと不安そうなマチルダですね。
今にも泣きそうです。
さらに濃い色を塗ります。
髪の毛は一番最後に描く予定です。
ここで鼻と口を修正。
鼻と口の位置を3ミリほど上にあげました。
一度描いた部分を濡れた筆でこすり色を落とします。
完全には拭き取れませんが大体でいいので拭き取り、
鉛筆で描きなおして塗り直します。
どんな場合でも描き直しというのは苦痛ですがやるしかありません。
納得できるまで何度でも直します。
創作とは、こういう地味な作業の積み重ねなのです。
さて、
これで間延びした顔つきが少し引き締まりました。
正直、これで完成でもいいかなと思います♪
次の行程が実は初体験です。
水彩色鉛筆という優れものの画材があります。
よく考えたなぁと思いますが、
これは水彩絵の具の顔料をそのまま固めて鉛筆の芯にしたものです。
固形水彩絵の具の鉛筆版ですね♪
そのまま描けば普通の色鉛筆と同じに描けますが、
芯が顔料絵の具なので水に溶けるんです。
ですから描いた上から濡れた筆でこすると色鉛筆が溶けて
水彩画のようになります。
また紙を湿らせた状態でこの色鉛筆で描くと
芯が溶けながらかなり濃い色が描けるわけです。
原理は極めて単純ですが、よく思いついたなぁとね、感心します。
数日前に
もう30年以上前に購入したスワンスタビロ社の水彩色鉛筆が
ほぼ未使用の状態で押入れの奥から見つかりました。
あぁそうだ、そういえばこんなの試しに買ったっけと思い出し、
30年ぶりに使ってみましたが色数が12色なので足りません。
色鉛筆は絵の具と違って混色ができないので数が必要なんです。
パステル、コンテ、クレヨン、マーカーなども同様で、
60色ぐらい必要になります。えらいお金がかかります♪
そこでターレンス社製のヴァンゴッホ水彩色鉛筆36色を買いました。
このヴァンゴッホとスタビロを組み合わせて使っていますが、
まだ十分に使いこなせません。
とりあえず、髪の毛の部分を平筆で濡らし、
その上から芯を溶かしながら水彩色鉛筆で描いてみました。
あぁなるほど~ こうなるのね~ と試行錯誤しながらの制作です。
試行錯誤してますから多分失敗するでしょうが構いません。
失敗しなければ学べないからです。
仕上げの構想としては、
絵画風味とイラストデザイン風味の組み合わせという感じです。
あまり写実に偏らないように、
デザインっぽくポップな感じにしたいと思いますが…
さてどうなるんでしょうね。
髪の毛をデザインっぽくする予定でしたが、
なんだか写実風になってしまいました。
引き続き水彩色鉛筆で描いています。
芯が水に溶けながら描けますので不思議な感覚になります。
面白いです♪
ほほぉ~ こうなるんだぁ~♪と、子供のようにはしゃいでいます。
使ったことのない画材というのはいつだって冒険です。
冒険にはリスクがありますが、それがまたワクワクするわけです。
幼稚園の時、初めてクレヨンを使った時の感覚ですね。
楽しいです♪
さて仕上げです。
ちょっと予定とは違う仕上がりになりました。
髪の毛をもう少しデザインっぽく、マンガ風にするつもりでしたが、
まぁこれはこれでいいと思います。
デザインっぽくはないですが、
申し訳程度にスパッタリングで髪の毛に絵の具を飛び散らせました。
画面の上下に格子縞の飾りを描いていますが、
実は上部の飾りは一度失敗して描き直しています。
参考写真のマチルダとはまた少し違う女の子になりました。
写真を元に描いても
描いている間に参考写真から離れていくことがあります。
あまり写真を見ないで描き進めてしまうんですね。
これはある意味、乗って描いている証拠なんです。
参考写真に似せよう似せようとすると窮屈になりますが、
いつの間にか写真を見ないでどんどん描いている自分がいるわけです。
結果、元の写真とは少し違う感じになります。
このマチルダもそういう過程を経て完成しました。
でも、こういうマチルダもいいかも。
ていうか、タイトルは『マチルダ』じゃなくてもいいかも♪