お箸の持ち方ってどうよ?
これははたして何なのだろう? と、
ここ10年ほど、私は自問自答していることがある。
それはタイトルにあるように『お箸の持ち方』である。
そもそも『正しいお箸の持ち方』というのがあるのか、
というより、これは正誤の問題なのだろうかとも思うのだ。
お箸をどう持つかなんて個人の自由でしょ!
そう言う人がいる。
だから法に触れることはないのだろう。
では法に触れなければ何でも有りなのか?
いいんじゃないの、誰にも迷惑かけてないし。
そうかもしれない。
しかし、心理的な迷惑、不快感を感じる人はいる。たとえば私はそうだ。
迷惑や不快感というより、眼のやり場に困ってしまうのだ。
特に苦情は言わないが会話が止まることはある。
ちなみに私のお箸の持ち方は下の画像と同じだ。
♣
お箸の持ち方を親から教わった記憶はない。
子どもの頃からこう持っていた。同級生もみな同じはずだ。
筆記用具の持ち方も同じ。
小学校から今日まで、筆記用具は鉛筆が中心の生活を送って来た。
鉛筆である。シャープペンシルではない。
シャーペンもボールペンも使うが基本は鉛筆だ。
それを手動の鉛筆削り器かナイフで削る。
今でもそういう使い方をしているアナログ派である。
鉛筆を握らずに持つ人はお箸の持ち方も上の画像のように持つはずだ。
鉛筆とお箸の持ち方は連動していると思う。
お箸の持ち方で一般に『変だ』と言われるのは『握り箸』である。
もうね、握っちゃう。ギュッと!
こんな感じ。
ここまで極端でなくとも、こう握って持つことを『握り箸』というのだ。
こういう人は鉛筆も同じように持つと思う。
こんな感じ。
♣♣
『握り箸』は私の身近でも増えているがTVでもよく見かける。
芸能人やCMの中でも見かけるようになって久しい。
お箸や鉛筆の持ち方が目立つようになったのは10年ほど前からだろうか。
もっと前から見ていたようにも思う。
最近はハリウッド映画の中にも鉛筆を握って持つ役者を見かける。
若い女性に多いように見えるのは私の偏見だろうか?
とにかく、お箸はアジアの文化だから地域的なものだろうが、
筆記具の持ち方は世界共通だから、日本だけの現象ではないようだ。
これはいったい何を意味するのかしないのか?
私が以前聞いたところでは『ボールペンの普及』が原因だという説がある。
むかしのボールペンは寝かせて書くと文字がかすれた。
だから書道の筆のように立てて持つと書きやすかった。
そして、小学校からこのボールペンを使う子どもが増えた。
鉛筆派はいまや少数になったのである。
ボールペンを立てて持つには握って持つ方が持ちやすい。
このバリエーションが『握り箸』という説だが、どうなのよと。
この説が正しければ、日本人の半数以上は握って持っているはずだが、
そうはなっていないのは『矯正』があるからだろうか?
つまり、握るのは『誤り』という認識だ。
これに異を唱えるのは簡単だが、問題は正誤ではないのだろう。
お箸はそれを使用する国の文化だろうから、
その持ち方は正誤ではなく、時代と共に変わる可能性がある。
日本人の7割以上が握って持つようになれば、それが正しくなるだろう。
『赤信号、みんなで渡れば恐くない』と同じで、
恐くないというより、その方が事故が少なくなれば『赤は進め』の方がいい。
それは道路交通法を変える時期を示しているのかもしれない。
こう考えると、鉛筆やお箸の持ち方も多数決になる。
持ちやすい方が楽なのだから。
言葉と同じで使用頻度の少ないものは廃れていくのだろう。
♣♣♣
でもね…
頭ではそう思っても、私はこの『握る持ち方』には未だに慣れない。
もう10年以上アチコチで見かけるから慣れてもいい頃だがそうはならない。
見た目(主観)で言えば、お箸は体に平行に持つときれいだ。
お箸の先が体の方を向くのは食べ物を口に入れるときだけで、
それ以外の時は、お箸は体に平行になるのが従来の持ち方。私はそうだけど。
ここで『握り箸』が私にどう見えるかをイラストで図解する。
握り箸には2パターンがあるように思う。
まずは『箸先端自分向け持ち』で、下のイラストのようになる。
お箸の持ち方は『握り』ではなく『つまみ持ち』とでも言おうか。
(安倍総理もこんな持ち方をしていたような…)
箸の先端が口に直角になる。危ない!
こういう持ち方の人は意外に多く、
いつ箸を口に突き刺すのだろうと見ていてハラハラする(ンなアホな…)
美しい持ち方に見えないのは私だけなのか?
2つ目の持ち方は文字通りの『握り箸』で下のイラストのようになる。
名付けて『肘直角ポーズ持ち』(名付けるなよ)
男性より女性に多いような気がする。気のせいか?
この持ち方でお箸を口に平行に運ぼうとすると肘が体に当たって食べにくい。
だからお箸の先が体に直角に向くように持つ方が持ちやすくなる。
これは『箸先端自分向け持ち』に比べると、
より自然に箸を口に直角に向けられる持ち方だが、
肘が外側に大きく突き出るという見た目の悪さがある。
私はこの『肘直角ポーズ持ち』にどうしても慣れないのだ。
この直角に突き出した肘は出来れば見たくない。
このポーズ(特に女性の)を見ると、私は何とも落ち着かなくなり、
ときに不快感を感じてしまうのである。
お箸の持ち方と人間性は関係ないと思うが、
生理的な不快感というのはどうにもしようがない。
とくに女性が肘を直角にして食事をする姿を見るのは辛い。
辛いのは私の勝手なので、握り箸をする人を責めたり注意したりはしないが、
なんとも眼のやり場に困りつつ見つめてしまうのである。
1ヶ月ほどで矯正できるらしいので、できれば直してほしい。
慣れた持ち方を変えるのだから苦痛が伴うだろうが何とか耐えてほしいなと。
どうしてもできない人に強制はしないし、
握り箸で食事する人が増えれば、それが正しい持ち方になる可能性もある。
どうもそういう時代が近い将来やって来そうな気がする。
私がお箸の持ち方を気にするのには、
見た目に不快というだけでなく、実はもうひとつ理由がある。
それは、西洋はどうなの? と思うからだ。
握りナイフとか握りフォークってあるのだろうか?
理屈は同じだろう。
お箸を握って持つかナイフを握って持つかの違いだけだ。
鉛筆を握って持つのが世界的傾向なら、あり得ると思うのだが…
さて、イマジンタ~イム!
あなたは今、欧米を旅行中である。
そこで西洋人(成人)の7~8割の人たちが
ナイフとフォークを握って持つ食事風景を目撃する。
どう感じるだろうか?
面白い持ち方だなぁ~♪ と笑って済ませるのだろうか?
私は正直、そんな風景を見たくない。
法には触れないかもしれないが、マナーとしてどうなのだろう。
関係ないよってか?
しかしそうはいってもどうにも落ち着かないものがある。
文化とはそういうものではないかと思うのだ。
どうでもいいかもしれないけど、
何だろうな、これは? と思うのである。
★ネット上にあるお箸の持ち方の画像をお借りし、加工させていただきました。感謝♪★
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