エスター
ORPHAN
2009年 アメリカ/ハウメ・コジェ=セラ監督作品
満足度 ★★★★ なんだか凄いぞ!
★ これは恐いな新機軸 ★
まず結論から言いますけど、面白~い!
ホラーというより、サイコサスペンスです。
一時期、この手の作品がずいぶん流行りました。
見かけはふつうの人なのに、徐々に異常な行動をとり始め、ついには!
… というパターンのアレです。
『Wダブル ステップファーザー(1988)』という秀作がありました♪
このブログでも書きましたが
『ゆりかごを揺らす手』という作品もありました♪
人間は『異常さ』に非日常という快感を感じるのでしょうか?
さて、
『エスター』が他と違うのは、この異常な行動をとるのが『子ども』だということ。
子どもの異常者というのは、あまり現実的ではないのですが…
でも何かちょっと変だな…? と観客を惑わせる。
そこが、この脚本の新機軸でしょうか!
(でもって、この子がエスターです。可愛いです♪)
★★
成人してから異常な行動をとる人間の多くは、
自我を形成する子ども時代にその原因を持っていると言われます。
親に愛情をもらえなかった、虐待されて育ったなどの理由で、
自己実現ができなかった子どもたちです。
主に身勝手な親の犠牲者でもあります。
ところが9歳の女の子エスターは、
孤児であること以外、特に不幸な生い立ちがあるようには見えません。
(原題の『ORPHAN』は、孤児という意味)
大人としての自我を形成する途上にいる女の子が、
はたして完成された異常人格を持つものなのか?
映画を観ている間中、ずっとこの違和感がつきまとうので、
観客は何とも言えない居心地の悪さを感じ続けます。
ここら辺がうまい。
異様な雰囲気を持つ女の子エスターを養女にした主人公一家の母親が、
まずエスターに子どもらしからぬ違和感を覚え…
このあたりから居心地の悪さが、徐々に徐々に加速していきます。
(ハイ、この子がエスターですよ。徐々に加速して行きますからね!)
★★★
これが大人なら『コイツは異常者だな』と観る側も見当がつきますが
子どもとなると… えっ? となるわけです。
今ごろ女の子が悪魔の化身だったなんてオカルト的なオチはないだろう、
では一体おまえは何なのだ!と観客を不安にさせる脚本が悪魔のよう。
私なんか、エスターはロボットかも? と思ったぐらいで… ははは♪
(笑ってる場合ではありません。エスターはロボットでもありませんからね!)
★★★★
物語は折り返し地点を過ぎても、
これまでのサイコサスペンスのセオリー通りにしか進まず、
もうここまでくれば新しい展開はないだろうと観客が気を抜いたとたん…!
♪ ダミアンのようで ダミアンでな~い ♪♪
♪♪ チャッキーのようで チャッキーでな~い ♪
♪ それは何かとたずねたら あっ ………… 怖っ!♪♪
今まで自分が見ていたものが、そうだと信じて疑わなかったものが…
『全く別モノ』だったと知る瞬間、それが一番の恐怖です。
(少女のようで、全くの別モノに観えませんか?)
まさに私好みのタッチ! とても楽しめました。
女の子を見る目が変わるかも?
面白~い♪
でも恐いぞ、コレは!
(この娘は全くの別モノですからね! ご注意して下さいね!!)
★ネット上の『エスター』の画像を流用し、加工させて戴きしました 感謝!★
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